ニーハオ!!中国漫画

面白かった中国漫画、気になる中国漫画、中国の漫画プラットフォームなどなどについて書き連ねるブログです。

【网易漫画(NetEase漫画)】陰陽師

 またまたご無沙汰の更新となります。継続は力なりということで、期間が多少開こうとも継続して更新していくことをここに誓います。

 今日ご紹介したいのはモバイルゲームでお馴染みのNetEaseの『陰陽師』です。先ずは川口春奈さん主演のこちらのTVCMをご覧ください。

www.youtube.com

 面白いですよね。KOEIが三国志歴史シミュレーションゲームを確立したように、日本がこれまで中国の歴史物でビジネスを展開して潤って来たのと正反対の現象ですよね。NetEaseが日本の歴史物でビジネスを展開する先鞭となったのがこの『陰陽師』なんですよね。

 ちなみにモバイルゲーム『陰陽師』の日本におけるKPIをApp annieで確認すると以下のようなイメージとなります。

f:id:nihao-manga:20180204142650p:plain

 先ずは売上ですがiOSにおけるピークはどうやら2017年6月1日の約22万ドル(約2,300〜2,400万円)のようです。単日でこれだけの売上を上げる訳ですから、ヒットするモバイルゲームが如何に美味しいか如実に現れてますよね。

f:id:nihao-manga:20180204143350p:plain

 こちらはランキングの推移です。日本におけるリリースは2017年2月23日だったので、僅か5日後には全てのゲームジャンルにおけるランキングで第1位を獲得していますね。そう、中国国内はもちろんのこと、日本のモバイルゲーム市場においても秀逸な成果を残したのがこの『陰陽師』というモバイルゲームなんです。

 ではこのメガヒット作、モバイルゲームの『陰陽師』はどのようにコミカライズされたのでしょうか?

続きを読む

漫画原作:実写化リスト②

 こちらが漫画原作:実写化リスト②です。中国産以外の漫画が多くランクインしていますが特に深い意味はなく、ソース元の三文娯のリスト順に加工したものであることを補足しておきます。

f:id:nihao-manga:20171217122934p:plain

 改編形態も先のリストと同様、全てネットドラマとなっています。何故ネットドラマが改編形態として選ばれやすいかについては是非以下の投稿をチェックして下さい。

 

nihao-manga.hatenablog.com

 

 また、個別タイトルの『狂野少女』、『长歌行』についても以前紹介しましたので、興味があればそれぞれ以下の投稿をチェックしてみて下さい。

 

nihao-manga.hatenablog.com

nihao-manga.hatenablog.com

 

 で、この投稿で紹介したいのは製作方としての『芒果tv』です。こちらが『芒果tv』のトップページ(※当然のことながらAPPもあります)です。色々なコンテンツが楽しめそうですね。

f:id:nihao-manga:20171217125328p:plain

 今回紹介する漫画原作:実写化リスト②においては製作方として登場している『芒果tv』なのですが、上記トップページのキャプションからも分かる通り『芒果tv』の本業は様々な映像コンテンツを配信する動画配信事業なのです。そうなんです、自らコンテンツ製作への投資も敢行する動画配信プラットフォームなのです。

 その『芒果tv』の運営主体なのですが、湖南電視台がオンライン動画配信事業の発展に注力するために100%出資で設立した『湖南快乐阳光互动娱乐传媒有限公司』となります。

f:id:nihao-manga:20171217203519p:plain

 さすが湖南電視台の100%出資なだけあり、湖南電視台の番組コンテンツの独占配信を『芒果tv』が担っています。様々な人気番組を製作・配信しており、電視台が運営する動画配信プラットフォームとしてはかなり競争力があり、異例な存在となっています。BAT(※百度、アリババ、騰訊)とも関係の深い『腾讯视频』、『爱奇艺』、『优酷土豆』のようなトップティアの動画配信プラットフォームと比肩することが出来る数少ないプレイヤーの一つだからです。

 漫画をメイントピックとする本ブログのため、動画配信プラットフォームについては程々にしておきますが(まとめる時間との兼ね合いもある)、機会があればより詳細について紹介したいと思います。

漫画原作:実写化リスト①

 またまたブログの更新が滞ってしまいました。何かをやりながら、何かを継続することが如何に根気を必要とするか、マルチタスクを推進するためには必要最低限の根性とエイやっの気概が必要だということを再認識しつつ、今日は中国における漫画原作の実写化リストについて紹介したいと思います。

 ソースはやはり三文娯となります。リストを加工した結果、エクセルのサイズが大きくなってしまったため、複数回に分けて全リストを紹介したいと思います。

 内容としては2015年〜2016年の二年間においてメディアにおいてオフィシャルにアナウンスされた漫画を原作とする実写化作品のリストとなります。

 早速ですが、下記キャプションがリストの一部となります。

f:id:nihao-manga:20171211231428p:plain

 リストは左列より原作カバー、动漫之家あるいは原作掲載プラットフォームにおける定期購読者数、原作タイトル、原作保有主体、製作、改編形態として整理しています。

 最初に気になるのは、このリストに含まれる原作の改編形態がが全てネットドラマに定められている点です。では、何故ネットドラマがこうも多いのでしょうか?それは主に以下の三つの理由に帰結されます。

  1. 製作コスト・・・作品にもよりますが、2時間程度の映画製作に必要となるコストは人民元ベースで2桁億元、版権タイトルに加え豪華キャストを揃えた場合には3桁億元に達する場合もあります。これと比較すると、30分以下程度のネットドラマであれば、下は56万元/話(≒1,000万円)から上は1,000万元/話(≒1.7億円)と、製作コストにおいて幅広い選択肢・組み合わせを検討することが可能です。追求するクオリティ、宣伝・マーケティング等にかけるコストにもよりますが、映画やテレビドラマ等の改編形態と比較し、高いコストパフォーマンスを実現出来るのがネットドラマなのです。
  2. マーケットドリブン・・・ネットドラマというだけあって、改編後の作品は主として動画配信プラットフォームのチャネルを通じてユーザーとの接点が構築されます。このチャネルが作品提供側・鑑賞側の双方に提供する最大の利点はインタラクティブ性です。ある作品に対し、いつ、どのようなユーザーが、どの地域から、どのくらいの時間をかけて作品にアクセスしたのか。アクセスした作品に対するレビューはどのような内容なのか。作品提供側がこれらを解析して得られた結果を作品にダイレクトに反映させることも可能ですし、鑑賞側も自らのニーズをダイレクトに作品提供側に訴えることで、より作品の魅力が高められるスキームとなっているのです。これに加え、オンラインを前提とするネットドラマであれば、理論上オンラインに繋がったスマートフォンやPCの台数がほぼニアリーイコール作品のリーチとなるため、映画、放送に比して圧倒的なリーチを実現することが可能なのです。
  3. 検閲・・・徐々に強化されつつあるようですが、それでも映画、放送に比して作品に対する審査や検閲が緩いということも改編形態として製作側がネットドラマを選択するインセンティブとなっているようです。

  漫画原作:実写化リストというタイトルではありますが、最終的にネットドラマの解説記事のようになってしまいました。まあ、それも良しとしましょう。引き続き、未紹介のリストについても紹介していきたいと思います。

【咚漫漫画】Dongman Entertainment Corp

 今日は新しい中国漫画配信プラットフォーム、咚漫漫画(Dongman Entertainment Corp)について紹介したいと思います。

 こちらが咚漫漫画のAPPアイコンとなります。雫のようなキャラが可愛いですね。

f:id:nihao-manga:20171125112719p:plain

 そしてこちらがオフィシャルWebのトップページです。ジャンルやランキング毎に作品が分けられていたり、曜日毎に作品が更新されていたり、作品を如何にユーザーに送り届けるかという部分では日本の漫画配信プラットフォームと大きな遜色のないデザインになっていますね。

f:id:nihao-manga:20171125112302p:plain

咚漫中文官网|每晚十点打开免费在线漫画世界 (※オフィシャルサイト)

 この咚漫漫画ですが、創立は2017年3月と中国漫画配信業界においてはかなり新生のプレーヤーとなります。凄いのは、創立半年にもかかわらずダウンロード数が1,000万を超え、ログイン数が1.2億を超えるという勢いです。

 また、既存の漫画配信プラットフォームと異なるのは、咚漫漫画は所謂Webtoonの専門配信プラットフォームとして自らをポジショニングしていることであり、このことが伝統的な中国の漫画市場に革新の一石を投じる効果をもたらしていることです。

 その効果には、Webtoonが新たな読者層を開拓し得たこと、創作の多様性を押し広げたこと、資本の拡大を実現したこと、クリエイティビティの価値観に変化をもたらしこと等が挙げられるとのことだそうです。

 中国漫画配信業界の革新に寄与するだけでなく、半年という事業活動期間で既に漫画IPのマネタイズの理想形である映像化も実現しており、『单身男女俱乐部(独身男女クラブ)』と、『狂野少女(荒野の少女)』のそれぞれの漫画IPを中国の映像製作会社に授権することに成功しています。

 それでは、咚漫漫画のWebtoonとは一体どんな作品なのでしょうか?今日は、『狂野少女(荒野の少女)』について紹介したいと思います。

続きを読む

【画神文化(MAGIC COMICS)】猫仙生

 長らく更新が滞ってしまいましたが、諸々落ち着いたので今日は新進気鋭の漫画CP、北京画神文化传播有限公司(MAGIC COMICS)について紹介したいと思います。

f:id:nihao-manga:20171123154555p:plain

 先ず、MAGIC COMICSの企業概要について簡単に紹介したいと思います。2016年に老舗ゲーム会社(※最近では映画やアニメ等、広くエンタメ領域における投資・事業展開を推進中)の完美世界(パーフェクトワールド)が100%出資する形で創立したのがMAGIC COMICSです。

 ちなみにパーフェクトワールドですが、以下のようなゲームをデベロップメントしたり、パブリッシュしたりしています。

f:id:nihao-manga:20171123161503p:plain

f:id:nihao-manga:20171123161551p:plain

 IPゲームでいうと聖闘士星矢とかファイナルファンタジーとかが含まれてますね。

 話をMAGIC COMICSに戻します。2017年5月頃より、短編・長編含め、ファンタジー、冒険、スポーツ、熱血、ラブストーリー、コメディ等と様々なジャンルの漫画作品をオフィシャルの微博アカウントで意欲的に公開しています。

Sina Visitor System(※オフィシャルアカウント)

 そんな新進気鋭のMAGIC COMICSですが、今日紹介したいのは、発表後瞬く間に閲覧数が1.8億を突破した『猫仙生』という作品です。たった4話発表されただけで1.8億なので、単純計算で1話当たり4,500万閲覧というとんでもない数字となりますね。改めて中国市場の規模感と速度感が如何に凄まじいか思い知らされますね。では『猫仙生』とは一体どんな作品なんでしょう?

続きを読む

【アズールレーン(碧蓝航线)】艦船ランキングとイラストレーター

 最近何かと話題のアズールレーン(碧蓝航线)ことアズレンですが、艦船ランキングを拾ったので以下に共有します。

 

f:id:nihao-manga:20171030224234j:plain

 

 艦船ランキング以上に驚きだったのは、アズレンのキャラクターデザインは全て中国人が起用されていたということです。

 

 例えば、以下のイメージはゲーム内においては長島を手掛けた哈路卡(音訳:はるか)さんが担当されているとのことです。

【碧蓝航线】「碧蓝航线」イラスト/哈路卡 [pixiv]

f:id:nihao-manga:20171030225917j:plain

 

 ビーグルとブルドッグは林大Bさん。

「林大B」のプロフィール [pixiv]

f:id:nihao-manga:20171030230352j:plain

 

 日本の軽巡洋艦の長良は、大月紅葉さん。

【アズールレーン】「长良级」イラスト/大月紅葉 [pixiv]

 

f:id:nihao-manga:20171030231121j:plain

 

 漫画をメイントピックとすべき本ブログですが、アズールレーンイラストレーターのクオリティがあまりにも秀逸だったので少しだけ整理してみました。ゲームでこれだけ火がついただけに、今後アニメ化や漫画化等の展開可能性もあるため、引き続きアズレンについてはウォッチして行きたいと思います。

【腾讯动漫(テンセントアニメ)】海賊版配信漫画プラットフォーム訴訟

魔屏漫画 (※オフィシャルサイト)

 中国漫画配信プラットフォームの一つである磨屏漫画が海賊版を配信したこと(権利侵害)により腾讯动漫から訴訟を起こされ、勝訴したとのことです。

 

f:id:nihao-manga:20171029190238p:plain

 

 特に『尸兄』という作品に下された25万人民元の賠償金額は、過去も含め中国の漫画配信訴訟事案における最高の賠償金額となったようです。ちなみに、この作品の第1話は18ページだったので、円換算後の約3.5万円を18ページで割れば、ページ当たり2,000円という計算となります。

 日本の所謂原稿料と比較すると見劣りがあるように感じるかもしれませんが、中国漫画配信業界における課金作品が1話当たり0.6人民元程度(約10円)で販売されていることを考えると、賠償金額はなんとその約200倍に相当する金額が付けられています。

 

f:id:nihao-manga:20171029193908j:plain

 

 参考までに、磨屏漫画のアプリトップページのキャプションを載せておきます。正規版と海賊版のいたちごっこはまだまだこれからも繰り返されるのでしょう。