ニーハオ!!中国漫画

面白かった中国漫画、気になる中国漫画、中国の漫画プラットフォームなどなどについて書き連ねるブログです。

主要オンライン・リーディングAPP MAU規模推移

 新札の1万円券にも採用された渋沢栄一の『論語と算盤』を読んでいるせいか、俄然ブログ更新の動力が尽きない管理人です。良き習慣を培うことで世のため、人のためというような一説も『論語と算盤』のなかで説かれており、なるだけこれに倣いたいと思います。

 本日ご紹介したいのは、昨今の中国における主要なオンライン・リーディングAPP(モバイルアプリ)のMAU規模推移です。主要なオンライン・リーディングですが、オンライン小説や漫画アプリ、日本でも最近CMで見かけるオーディブルに代表されるオーディオエンタメや、Yahoo知恵袋のようなオンラインQ&A等々のサービスが含まれます。

 カテゴリーがごちゃ混ぜとなっているのは、当該一覧に登場するモバイルアプリが各カテゴリーにおけるトップサービスを抜粋したものとなっているのが理由となります。一覧を見て直感的に見て取れるのは、また、最近の中国の凡その業界に共通する傾向として、何れのサービスも凄い勢いで成長していることです。

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 オンライン小説では【掌阅】というサービスが、中国市場における同カテゴリーのトッププレイヤーとなるようです。2018年12月のMAUが約7,300万という、驚異的なアクティブなユーザー規模を実現しています。同サービスにおいては無料・課金による小説コンテンツに加え、一部コミックスを閲読することも可能となっております。日本コンテンツとの関係でいうと、少し前に村上春樹の『騎士団長殺し』が先行配信されていました。

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 ちなみにこちらの【掌阅】はAPPやウェブサイトでコンテンツをサービスするのみならず、Kindleのようなハードも製造・販売しています。

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 上記のモデルだと1.53万円程度なので、Kindleと比較して少し割高かという印象ですかね。

 続いての【喜马拉雅FM】ですが、下記が日本版のオフィシャルサイトとなります。正にオーディブル、アップルでいうPodcastのようなサービスで、本の読み聞かせアプリですね。日本では確か2017年9月頃にリリースされたと記憶しています。

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 また、下記は中国版のオフィシャルサイトのビジネスジャンル・無料コンテンツのランキングページですが、どうやら1位は日本に関する内容となっています。これはこれで気になりますね。

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 こちらも対前年比で約21%の成長を実現しており、MAUも約6,700万というとんでもない規模に達しています。アメリカでオーディブルが流行したのは、何でも通勤・通学等における運転時間を有効活用する層が厚く、ハンズフリーで彼らの移動時間に効果的に入り込むことが出来たからだという分析を過去に目にしたことがあります。都市部はさておき、中国でも2級、3級以下の都市でアメリカと同じような現象が巻き起こっているのでしょうか。合理的な民族なので、もしかしたら都市部でも、エンタメはハンズフリーという層が一定存在するのかの知れません。ここら辺については、もう少し突っ込んで分析しても面白いかも知れません。

 【快看!】については過去の記事でも複数回紹介しているので、ここではスキップしたいと思います。まあ、漫画アプリでは抜群のトッププレイヤーということですね。

 

nihao-manga.hatenablog.com

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 続いての【知乎】も面白いです。例えば経済学ジャンルのトップページでは以下のようなトピックがUGCの形式で議論されています。約10万のトピック数に対し、約1,100万人のフォロワーが付いてます。気になるのは、右の優秀回答者にいる司馬懿でしょうか。

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 純粋なコンテンツ消費というより、主体的にコンテンツを創作する姿勢がユーザーに必要とされることや、知識の有無も当該サービスを利用する前提となるため、その他と比較してユーザー規模は小さいですが、とはいえ約4,000万人という規模です。それだけ、種々のトピックを議論することが好きな人が多いのでしょう。

 【米读小说】は2018年6月にリリースされたばかりのサービスですが、約半年でMAUを約2,700万人に伸ばしていますね。以下がアプリのトップページです。

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 アプリからゲームをプレイすることも出来るようです。

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 日本と検索すると、下記のようなコンテンツがヒットしました。日本産のコンテンツは無さそうです。

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 一見すると、その他小説アプリと大きな差はないものの、何故このような勢いで伸びているのか、これについてもまたしっかりと分析すると面白い結果が得られるかも知れません。

 【微博动漫】についても過去に紹介したので、ここではスキップとさせて頂きます。

 

nihao-manga.hatenablog.com

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 さあ、いよいよラストの【樊登读书会】です。このサービスが今回の一覧に含まれたのは、おそらくその460%という驚異的な成長率ゆえでしょう。

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 こちらがアプリのトップページです。正直良くあるUIです。

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 こちらが起業カテゴリーのランキングページです。『リーンスタートアップ』とかイーロン・マスクの本もランクインしていますね。おそらく、バラマキによるインセンティブや、純粋にバズってこれだけの成長率を実現したものと推測しますが、これについても後日分析してみたいと思います。

 如何でしたでしょうか。少し長くなってしまいましたが、本エントリーがいまの中国のオンライン・リーディングAPPについての理解を深める一助になれば幸いです。