ニーハオ!!中国漫画

面白かった中国漫画、気になる中国漫画、中国の漫画プラットフォームなどなどについて書き連ねるブログです。

中国政府初:2017年−2018年 IP評価レポート

 2018年10月25日、文化部、広電総局、新聞出版署並びに北京政府の主催により《第13回中国北京国際文化創意産業博覧会(※以下、北京文博会)》が北京において開催されました。なんでも、中国国内で最も格式が高く、権威のある文化活動と位置付けられているそうで、中国における文化産業、そして文化産業に対する中央の指導のシンボルとされているそうです。

 この北京文博会では、新華社の下部組織であるシンクタンクの暸望智庫が、北京文博会組織委員会と合同で中央政府機関として初めて文化産業(IP)を対象とするレポートを発表したそうです。

 レポートには中国オリジナルのIP産業に関する発展の歴史やその構造のあり方、あるいは今後の展望等が含まれており、昨今の中国IPを俯瞰するには好都合な内容となっております。

 その中でも特に筆者が注目するのは、この中央政府機関として初めて発表されたレポートのなかにおいて、個別IPがランク付けされている点です。詳細は下記キャプションの通りです。

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 ランキングに選出されたIPの形態は広く文学、漫画、ゲーム、映画、ドラマ、アニメ等から選出されており、個別IPの影響力や内容の魅力によって選出されているそうです。

 IPの形態別でみると、ネット小説5、小説4、ゲーム4、映画3、漫画2、アニメ1、ドラマ1という結果となります。意外なのは活字が主流となっていることと、文化とは相反する形態としてのゲームIPが4タイトルも選出されていることです。

 IPの発表時期でみると、トップ1にランクインしており、かつ同ランキング内で最も古く1963年に発表された《天龍八部》という小説から、2018年の大ヒット映画、中国語版ランボーともいわれる《紅海行動》まで幅広い時代が評価の対象となっています。

 ゲームに焦点を当てると、トップ4の《王者荣耀(KING OF GLORY)》は2017年の全世界におけるAppleStoreで売上トップとなっており、AppleStore、GooglePlayを合算した月商が約350億円とも推定される怪物級のモバイルゲームですね。全世界でのダウンロード数が約2億ということで、中国オリジナルIPと謳うに相応しいタイトルですね。

 そういえば、この《王者荣耀(KING OF GLORY)》の国際版である、《AOV(Arena of Valor)》は無料で任天堂Switchでダウンロードしてプレイすることが出来ます。

Nintendo Switch|ダウンロード購入|Arena of Valor

 任天堂Switch版に加え、モバイルゲーム版も日本のパブリッシャーが事前登録の受付を開始したそうなので、興味があれば試してみるのもいいかも知れません。

https://www.arenaofvalor.jp/

 トップ6の《夢幻西遊》は《荒野行動》や《Identity5》でお馴染みのNeteaseがパブリッシュするMMORPGのモバイルゲームですね。

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 《夢幻西遊》は元々PC版でしたが、モバイル移植してもその人気は衰えずセールス&ダウンロードでトップ3という成績を誇ります。ちなみに、トップ4の《王者荣耀<KING OF GROLY>》はトップ1です。抜群に他を引き離してのトップ1です。

 話しを漫画に移すと、トップ15にランクインしている《狐妖小红娘》と、トップ19の《一人之下》は何もテンセントが保有するタイトルとなっていますね。

狐妖小红娘-狐妖小红娘在线漫画-在线漫画-腾讯动漫官方网站

一人之下-一人之下在线漫画-在线漫画-腾讯动漫官方网站

 無料で閲読出来るので上記ご興味があれば是非どうぞ。ちなみに何れのタイトルも日本でアニメ化されており、MXでOAされた実績がありますね。また、何れのタイトルもテンセントによってモバイルゲーム化されており、近いうちパブリッシングされる可能性もあります。ちなみにアニメを制作したのは日本に拠点を置く中国のアニメ制作会社《絵夢》ですね。

www.youtube.com

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 如何でしたでしょうか。メイントピックの漫画から横道に逸れる内容となってしまいましたが、中国IPを俯瞰することは出来たかと思います。またの機会に、同レポートでも言及されていたIP評価基準の紹介や、その他タイトルの紹介も出来ればと思います。それでは皆さま良い週末を。