ニーハオ!!中国漫画

面白かった中国漫画、気になる中国漫画、中国の漫画プラットフォームなどなどについて書き連ねるブログです。

中国漫画配信プラットフォーム別作品ランキング

 前回、中国漫画配信プラットフォームの分布について紹介したところなので、今日は中国漫画配信プラットフォーム別の作品ランキングを見ていきたいと思います。


nihao-manga.hatenablog.com

 

 三文娯がまとめたデータを基に整理したのが、キャプションの『中国漫画配信プラットフォーム別作品ランキング表(※2017年9月28日時点)』となります。同表に含まれるのは腾讯动漫、有妖气、快看!の3プラットフォームとなり、クリック数やいいね!数、アップデート◯◯時間後の累積アクセス数等の各種KPIがランキングロジックのベースとなっており、これに用いられるKPIがプラットフォーム毎に異なるため、表内の数字が必ずしもランキングの上下に直結しません。

 

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 次に、表内において【黄色ハイライト+斜体下線付き】の作品については当該漫画配信プラットフォームにおける『独占配信』を意味します。少し話が逸れますが、最近では日本のTVCMにおいても“Amazon Prime独占配信”や“Netflix独占配信”と謳った広告・プロモーションを目にしますが、コンテンツ・エンタメ業界では配信プラットフォームは独占を好み、コンテンツクリエイター・コンテンツホルダー非独占を好む傾向があります。

 配信プラットフォームが独占配信を好むのは、“ここでしか楽しむことが出来ない・ここでしか観ることが出来ない”というプレミアム感が他の配信プラットフォームとの差別化要因となり、この差別化要因こそが既存ユーザーの維持並びに新規ユーザー獲得のための肝心となります。

 一方、コンテンツクリエイター・コンテンツホルダー非独占を好むのは“より多くのユーザーに作品を届けたい・何時でも何処でも楽しむことが出来る”というユビキタス感が他のコンテンツクリエイター・コンテンツホルダーとの差別化要因となり、この差別化要因こそが一人でも多くのユーザーに作品を届けるための肝心となります。

 このように、配信プラットフォームとコンテンツクリエイター・コンテンツホルダーは作品を如何に市場に送り届けるかというそもそもの段階で思考が反比例の関係にあります。このギャップを埋めるのが、特に中国市場において顕著なのが金銭的インセンティブです。独占か非独占かを詳述するのは別の機会に譲るとし、上記背景を踏まえて同表を見ていくと、快看!の圧倒的独占配信思考が目立ちますね。なんと10作中、10作とも独占の作品となっています。“快看!ならでは”という強い意思が伺い知れます。

 続いて、腾讯动漫と有妖气では10作中、同数の7作が独占の作品となっており、『驭灵师』を除いて作品の重複もありません。この両社の漫画配信プラットフォームではランクインしているジャンルも快看!に比べて多様性があり、特に上位には熱血系、擬人化系、メカ系とバランスがとれており、武侠系に偏重していません。快看!ではこれが恋愛系や、日常×非日常系、不倫系等と強く女性を意識した内容となっています。

 最後に、ブックマークとレビューの数字の比較ですが、真偽はさておき、腾讯动漫の各作品のブックマーク数は桁違いの差を有妖气との間に生み出しています。数字の性質が異なるブックマーク数とレビュー数を単純比較することにどれだけの意味があるかはわかりませんが、快看!の各作品のレビュー数も100万超のものが多く、短期間で多数のユーザーを獲得したことが見て取れます。

 

 如何でしたでしょうか。少々テキストが多い投稿となってしまいましたが、少なくとも『中国漫画配信プラットフォーム別作品ランキング表(※2017年9月28日時点)』から中国漫画配信市場の昨今のマクロトレンドが掴めたのではないかと思います。同表に含まれる各作品については、管理人の趣向と独断によって順次紹介して行きたいと思います。